メモ帳でプログラミングを始めよう
メモ帳でC#プログラムを実行する方法を説明いたします。すでにVisualStudioがインストールされているのであればVisualStudioを使ってプログラミングしたほうが圧倒的に便利です。でも初心者にはプログラムソフトのインストールやテキストエディタなどの開発環境を構築するハードルが高くプログラミングを始める障害になってしまいます。WindowsにはC#のコンパイラが標準に付属されています。他のアプリをインストールすることなくメモ帳でC#プログラミングができる方法をご紹介いたします、ぜひこの機会にプログラミングを始めてみましょう!
■コマンドプロンプトを立ち上げる
ウインドウズボタン+R(同時押し)を押すと「ファイル名を指定して実行」のダイアログが表示されます。
入力欄に「cmd」と入力しOKボタンを押すとコマンドプロンプトが立ち上がります。同様にデスクトップ画面の左下の「スタート」→「Windows システムツール」→「コマンドプロンプト システム」を選択しても同じですので好きなほうで実行してください。
Microsoft Windows [Version 10.0.19045.3693] (c) Microsoft Corporation. All rights reserved. C:\Users\sumio>
上記のような内容が表示されます。上の2行はWindowsのバージョンによって表記がかわります。「C:\Users\sumio>」ですが、Windowsの場合フォルダの階層を「\」で区切りますので、この場合は、「C:(ドライブ)」の中の「Users」フォルダの中の「sumio」フォルダの中にいる(作業する場所)という意味です。「>」マークはコマンド入力可能の状態を示しています。「sumio」はPCユーザーごとに名前が違いますので表示は変わります。
■ファイル名を指定してメモ帳を開く
それではコマンドプロンプトの「>」マークの右側に「notepad csc.bat」を入力しエンターキーを押してください(cscの前に半角スペースがあります)。このコマンドはメモ帳のプログラム名である「notepad」から「csc.bat」というファイル名を指定してファイルを開くという命令文です。「csc」はファイル名なので違う名前でもよいです。「.bat」はファイルの拡張子でバッチファイル(実行ファイル)です。
C:\Users\sumio>notepad csc.bat
すると下記のメッセージボックスが表示され「ファイルcsc.batが見つかりません。新しく作成しますか?」と聞いてきますので「はい」をクリックします。
メモ帳が新規で作成され開きました。
実際のフォルダの中を見てみると「csc.bat」というファイルが作成されています。
■コマンドからC#のコンパイラを実行する
それでは今開いているメモ帳(csc.bat)にC#コンパイラを実行するコマンドを記述します。エクスプローラを開いてCドライブのフォルダから順番に開いていきます。「C:」→「Windows」→「Microsoft.NET」→「Framework」→「v4.0.30319」ここのフォルダ名はバージョンで一番新しい(数の大きい)フォルダを選びます。そのフォルダ内に「csc.exe」ファイルが見つかるかと思います。
これは「VisualC#CommandLineCompiler」といってプログラムを実行するファイルになります。
その「csc.exe」ファイルを選択した状態でShiftボタンを押しながら右クリックで「パスのコピー」を選択し、そのまま開いているメモ帳(csc.bat)に貼り付けます。
そして、先頭と最後のダブルクオーテーション「””」を削除し、最後に半角スペースと「%1」を追記します。
C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319\csc.exe %1
そしてそのメモ帳を上書き保存して閉じます。すなわち「csc.exe」ファイルのフルパスをバッチファイル(csc.bat)に記述することで、バッチファイルをダブルクリックで実行したらC#コンパイラ(csc.exe)が起動するわけです。
下記コマンドを実行してみます。
C:\Users\sumio>csc.bat
下記のように表示されると思います。
warning CS2008: ソース ファイルが指定されていません。 error CS1562: ソースのない出力には、/out オプションを指定しなければなりません。
上記の出力結果に表示されているように、コマンド実行したときにファイルが指定されていないのでエラーとなりました。次項で実行させるプログラムファイルを作成します。
■文字を表示するプログラムをつくる
それでは、プログラムを記述するファイルを作成していきます。コマンドプロンプトを開き、先ほどと同じようにファイル指定でメモ帳を開きます。下記コマンドを実行すると「ファイルhello.csが見つかりません。新しく作成しますか?」と聞いてきますので「はい」をクリックしファイルを作成します。
C:\Users\sumio>notepad hello.cs
メモ帳が立ち上がりますのでそこに下記コードを記述し、ファイルを上書き保存しファイルを閉じます。
class Hello { static void Main() { System.Console.WriteLine("Hello World!"); } }
■ファイルを指定してコンパイルを実行
そして今度は先ほど作成した「hello.cs」ファイルを指定しますので下記コマンドを実行します。(hello.csの前に半角スペースあり)
C:\Users\sumio>csc.bat hello.cs
【実行結果】
C:\Users\sumio>C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v4.0.30319\csc.exe hello.cs Microsoft (R) Visual C# Compiler version 4.8.9037.0 for C# 5 Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. This compiler is provided as part of the Microsoft (R) .NET Framework, but only supports language versions up to C# 5, which is no longer the latest version. For compilers that support newer versions of the C# programming language, see http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=533240
上記のように表示されたらコンパイルは成功です。
そして下記コマンドを実行し「hello.cs」ファイルに記述したプログラムを実行するとコンソールに「Hello World!」が出力されました。
\Users\sumio>hello
【出力結果】
Hello World!
■まとめ
このように文字を表示させるだけの簡単なものですが、メモ帳からC#のプログラムを実行することができました。今回はプログラミング初心者でも分かりやすいように説明してきましたが実際に行うことは下記の3項目です。慣れたらいろいろなプログラミングを作成してみましょう!
1.csc.batファイルを作成し、csc.exeファイルのパスと「(半角スペース)%1」を記述する。
2.hello.csファイルを作成し「hello world!」を表示するプログラム記述する。
3. コマンドプロンプトで「csc.bat hello.cs」を実行する。
次は下記の記事でメモ帳でゲームを作ってみましょう!
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